役員運転手に雇用契約書は必要?労働条件通知書との違いは?
2023.03.06
会社に役員運転手がいないため、役員運転手の雇用を検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
役員運転手を雇う場合、雇用契約書の作成が必要な場合があります。
しかし、「労働条件通知書があれば、雇用契約書はいらないのでは?」と思われる方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、雇用契約書の概要および労働条件通知書との違いについて解説します。
また、役員運転手の雇用契約書の書き方も解説しているため、ぜひ当記事を参考にしてください。
Contents
1.雇用契約書とは
雇用契約書とは、雇用主と労働者の両者が雇用契約の内容に合意したことを証明する書類です。
労働者と雇用主が署名と押印をして、契約を結ぶのが一般的となっています。
1-1. 労働条件通知書との違い
労働条件通知書は、雇用契約を結ぶ際に雇用主から労働者に対して書面(電磁的方法を含む)で通知する義務のある事項が記載されている書類です。
雇用契約書と労働条件通知書の違いは、以下になります。
・雇用契約書:記載内容は法律で定められていない
・労働条件通知書:労働基準法により記載する事項が定められている
また、雇用契約書は雇用主と労働者の両者の署名と押印が必要ですが、労働条件通知書は労働者の署名と押印は必要ないという違いがあります。
1-2. 業務委託契約書との違い
業務委託契約書は、自社で対応できない業務を他社やフリーランスなどの外部に依頼する際の契約書のことです。
雇用契約と業務委託契約の大きな違いは、使用従属性にあります。
・雇用契約:使用従属性がある
・業務委託契約:使用従属性がない
雇用契約の場合、働く側の人は労働者となるため雇用主からの指示にある程度、従わなければなりません。
業務委託契約の場合は、雇用主と労働者という使用従属性はないため独立した事業者間の契約になります。
そのため、依頼主が請負人に対して指示する命令権をもたない仕組みです。
雇用契約を結ぶ際は雇用契約書を作成する、業務委託契約を結ぶ際は業務委託契約書を取り交わします。
また、雇用契約と業務委託契約は同時に結ぶことができますが、それぞれの書類に記載する内容の重複に注意が必要です。
2.役員運転手に雇用契約書は必要?
法律上、役員運転手に雇用契約書は必要ありません。
口約束だけで契約は成立します。
雇用契約書を作成していなくても、罰せられることはありません。
そのため、労働条件通知書を役員運転手に手渡せば雇用契約書は必要ないとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、労働条件通知書のみでは何かしらのトラブルが発生した際に、「条件が違う」「そのような書面はもらっていない」などといわれてしまい問題になるケースがあります。
問題が大きくなり訴えられてしまった場合、労働条件通知書しかないと「雇用主が勝手に押印しただけ」などといわれてしまい裁判で不利になる可能性もあるのです。
問題が起きたり裁判で不利になったりする原因は、労働条件通知書は雇用主と労働者の両者の署名と押印がないためです。
雇用契約書があれば両者の署名と押印があるため、そのようなトラブルを避けることができます。
法律上、雇用契約書は作成しなくても問題ありませんが、トラブルを避けるために作成することをおすすめします。
3.役員運転手の雇用契約書に書く内容
雇用契約書の必要性はわかったけれど、書類にどのような内容を書けばよいのか疑問に思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここからは、雇用契約書に書く内容について解説します。
雇用契約書を作成する際は、必ず記載しなくてはならない事項があります。
これを絶対的明示事項といい、たとえば以下のような内容です。
・守秘義務
・待機時間と休憩時間
・業務内容
など
一つひとつ詳しくご紹介しますので参考にしてください。
3-1. 守秘義務
車内で役員の電話内容を聞いてしまった場合は、口外しないという内容を記載しておきましょう。
役員運転手は、役員を乗せて運転する業務のため社内の重要な情報の内容が耳に入ってしまうことがあるかもしれません。
仮に販売前の商品の情報が漏れてしまうと、競合他社が同じような商品を先に販売してしまうリスクがあります。
そのようなトラブルを防ぐために、業務中に聞いてしまった内容は他言しないということを記載しておくとよいです。
3-2. 待機時間と休憩時間
役員運転手の待機時間と休憩時間はわける、という内容を記載しましょう。
待機時間を休憩時間だと捉えた役員運転手が、待機時間に食事を摂りにいってしまった……。
そのため、大事な会議に遅れてしまうといったトラブルが発生する可能性があります。
待機時間はすぐに業務に入れるように、指定された場所で待機する時間のため休憩時間ではありません。
トラブルを回避するために、待機時間と休憩時間はわけるという内容を記載しておきましょう。
3-3. 業務内容
役員運転手に、どこまで仕事を任せるのか細かな内容を記載しましょう。
運転業務のみなのか、秘書業務も含めるのかということを記載する必要があります。
なぜなら、役員運転手の中には運転業務以外の業務をやりたがらない方も少なくないためです。
あとからトラブルに発展することがないように、どこまで業務を任せるのかということを記載しておくとよいでしょう。
4.役員運転手と雇用契約を結ぶ際の注意点
役員運転手と雇用契約を結ぶ際は、労働基準法に定められた労働時間を守らなくてはなりません。
・1日8時間
・1週間40時間
上記を超えて労働をさせる場合は、36協定を結ぶ必要があります。
役員運転手の場合、9~18時(休憩1時間)まで役員の送迎などを行うと、その時点で1日8時間労働の上限に達してしまいます。
休日のゴルフや深夜の食事などの接待の予定が多いため、役員運転手の労働時間が上限を超えそうな場合は、あらかじめ36協定を結んでおいたほうがよいでしょう。
5.派遣の役員運転手なら雇用契約書は必要ない
派遣の役員運転手を利用すれば、雇用契約書の作成は必要ありません。
なぜなら、派遣の役員運転手を雇用しているのは派遣会社であるためです。
雇用契約書を作成するのはハードルが高いと感じる方は、派遣の役員運転手を利用しましょう。
6.まとめ
この記事では、役員運転手を雇う場合に雇用契約書の作成は必要なのかについてご紹介しました。
法律上、役員運転手に雇用契約書は必要ありません。
しかし雇用契約書を作成していない場合、「採用の条件と異なる」などのトラブルが生じた際に契約を証明する書類が提示できなくなるリスクがあります。
そのような事態を防ぐために、役員運転手を雇用する際は雇用契約書を作成しましょう。
また、派遣の役員運転手を利用すれば雇用契約書の作成は必要ありません。
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